若い頃に少しかじったゴルフを本格的に再開したのが、50歳になってからだった。
こんな素晴らしいスポーツはないと思い、夢中になって練習し、ベストスコア86(ただ、これはレーティングもないくらい優しい千葉のコースだが)を出した。なんどもコースの会員権も買おうと検討したりもした。
私は今年58歳になった。そして、ゴルフを一旦、休憩することにした。まずドライバーが歳とともに飛ばなくなってきた。若い人と回ると、ドライバーで50ヤード離される。さすがに、これではやる気が萎える。しかも高齢者はアプローチなどで普通挽回するのだが、私はそれも下手だ。結果、いつまでたってもうまくならない。
私がゴルフを再開した一番の理由は、通っているセントラルスポーツが、日本一と言えるゴルフ環境だったからだ。屋上には40ヤードの打ちっ放し、バンカー、アプローチ、パター練習まで屋外、屋内にあった。ちょうどバブルの頃にできたスポーツジムだったので、そういう作りになったのだろう。
それが昨年の改装で、すべてテニスの教室用のコートに変更されてしまった。長く屋上で練習した人間にとって、ボールを有料で打つということが、まずもっていやでいやで仕方がない。なんで一球打つごとに何十円も払わなければいけないのか?そういう思いがある。しかし現在のセントラルには、鳥かごの打ちっ放ししかない。これでははっきり言ってどこに飛んでいるかもわからない。こんな環境で練習しても、うまくなるはずはない。
練習するところもなくなり、また歳とともに、いろいろなところが痛くなってきた。ゴルフ肘は未だに完治しておらず、さらに追い討ちをかけて腰が痛くなってきた。膝もよくない。これらに負担のかからないスイングにすると、ドライバーが200ヤード飛ばなくなってきた。
そもそもゴルフというのは、ドライバーが230ヤード飛ばないと成立しないスポーツだ。420ヤードパー4なんてホールはたくさなる。190ヤードパー3なんていうのもざらにある。もうこういうホールが苦痛で仕方がなくなってきた。そもそもボギーでベストという状態なのだ。
今、ゴルフをやめてみて、別になんの感情もない。その代わりクロストレーナーをほぼ毎日やり400〜500カロリーを消費している。そのあとのビールのうまいことうまいこと。その幸せの方が私には心地よくなってきた。
そもそも私は高校時代、野球部だったが万年補欠であった。運動神経はよくない。自信がある。だから、ゴルフだって、人よりうまくなるのはそもそも無理なのだ。
あれほど熱中していたゴルフ熱が、こんなにいとも簡単に冷めるとは自分でもびっくりではある。クラブはもう神木本町の倉庫にしまってしまった。またいつか再開するかもしれないが、ゴルフはやはりもっと若い頃から始めなければダメなスポーツなのだと思った。
もう一度人生があったら、20台から始めてみたい。そうすればパーオンゴルフができるだろう。私のように、ベストがボギーオンのゴルフは、やはりつまらない。ゴルフはもちろんスコアを競うスポーツだが、飛距離とバーディーの快感を味わうスポーツとも言える。
小学生時代、得意だったのはマラソンだ。初心に帰り、クロストレーナーで頑張って、いずれはマラソンをしてみたいと思う。それが今の私の夢である。